江戸時代の介護食豆知識 〜「やさしい食」は昔からあった〜
2025年10月15日
“介護食”という言葉は現代のものですが、やさしい食事=介護のための食は、実は江戸時代にも存在していました。
当時の人々は、医学の進歩がまだ限られていたにもかかわらず、食の工夫によって高齢者や病人を支えていたのです。
おかゆは最も身近な「介護食」
江戸時代の食卓では、**おかゆ(粥)**がもっとも代表的な介護食でした。
硬い米を炊くよりも消化がよく、歯の弱い人や病中病後の人でも食べやすい主食として重宝されていました。
さらに、ただの白粥ではなく、薬草・野菜・味噌・干物のだしを使って旨味と栄養を加える工夫もされていた記録が残っています。
“噛む力”に合わせた工夫
当時は入れ歯もまだ普及しておらず、多くの高齢者は噛む力が弱っていました。
そこで、野菜や魚を細かく刻む・やわらかく煮る・すりつぶすといった調理法で、自然な形の「嚥下(えんげ)食」を作っていました。
特別な機械がなくても、包丁と火加減だけで工夫していたのです。
現代の技術で、昔の知恵を進化させる
私たちは、この昔ながらの「やさしい食」の知恵を、現代の栄養学とテクノロジーで進化させています。
提供する施設の年齢層に合わせて食材の硬さや食感を細かく調整し、ご高齢の方向けには特許技術を活用して、見た目を保ったまま柔らかい状態で加工しています。
これにより、「噛む力」や「嚥下機能」に不安がある方でも、**“見た目も楽しめる食事”**として召し上がっていただけます。
原点はいつも「食べる楽しみ」
江戸時代:粥とだしで“やさしい食”をつくる
現代:栄養+テクノロジーで“楽しめる介護食”へ進化
共通するのは「心と体を支えるための食」
介護食は、ただの“やわらかい食事”ではありません。
そこには昔から、人の暮らしと「食べる楽しみ」を守る工夫と技術が息づいています。




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